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X脚の原因と改善法について
目次
X脚は「O脚」と共に現代人が抱える現代病としても有名な症状です。
X脚は両足をそろえて立ったときに、内側のくるぶしはつかないのに膝がぶつかってしまう状態をいいます。(ニーイン・トゥアウト)
真正面から見たときに足が『くの字』(内側に歪んで内股になってしまっている)に曲がり、調度、アルファベットのXの文字にも見えることからX脚と言われています。一般に欧米人に多く見られ、男性よりも女性に多いといわれています。
しかし、近年では日本人女性にも多く見られるようになってきました。
通常であれば人間の膝頭は内側の部分がくっつく事は無いのですが、体の歪みや脚の歪みが原因で起こるX脚では立っている時は勿論の事、歩く際にも左右の膝がくっついてしまいます。若い頃は単に見た目の問題だけで済まされますが、そのままの状態でX脚を放置しておくと将来、膝関節や腰、骨盤などに悪影響を与えてしまうおそれがあるのです。
X脚を引き起こしてしまう原因とは?
現代人の多くの女性が悩んでいると言われているX脚ですが、X脚を引き起こしてしまう原因にはどのような物があるのでしょうか。
X脚になる原因としては、以下のようなことが考えられます。
- 姿勢が悪い(体の歪み)
- 筋力、柔軟性のアンバランス
- 関節の緩み
- ビタミンD不足
- 遺伝
産まれた時は誰でもO脚ですが、成長とともに脚は必ず一度は真っ直ぐになります。
しかし、その後の生活習慣や動作の癖などにより大腿骨、脛骨・腓骨間に変位が生じ、やがてX脚やO脚になります。
X脚になると一般的には股関節が内旋・内転し、膝が内側に変位するため、重力(自体重)が内側にかかるようになるため内側縦足弓(土踏まず)が消失します。
このため、踵骨の回内が起こり、外返しの足が誘発されます。
不自然な座り方や、歩き方を長期に渡り続けることでやがて筋バランス(筋力や柔軟性)に乱れが生じ、股関節や膝関節、足関節などの関節部分に歪みが出てX脚になるのです。
意外と思われる方も多いかと思いますがビタミンDが不足してもX脚になることがあります。
また、医学的には完全に証明されたわけではないようですが、遺伝が原因でX脚になることがあると唱えている学者もいます。
先にも述べたようにX脚は普段の座り方や立ち居振る舞いなどの生活習慣が影響している場合が多いのですが、その土台構築は既に幼少期の頃から始まっています。
幼少期の頃、つまり身体的に未成熟で筋力が弱く、骨形成が出来ていないときから女の子座り(トンビ座り)や横座りを『正座より楽だから』という理由で日常的に繰り返し行っていると太ももが内側に歪む(膝下が内側に倒れるような形)ようになります。
子供のX脚は早目にきちんと矯正することで改善することは可能ですが、成長してしまった大人の骨はなかなか元には戻すことはできません。
長期に渡り股関節が内側に捻れるような座り方を続けてきたことで股関節がルーズ(緩く安定していない状態)になってしまっているので最早正常な股関節の動きに戻すのは不可能なのです。
しかしながら股関節が内側にねじれないようにするための適切な筋力トレーニングやストレッチを行うことである程度、股関節の安定化をはかることが出来ます。
勿論、骨盤矯正も有効ですが、まずは骨の位置の安定化をはかるには筋肉へのアプローチは欠かすことが出来ません。
X脚をほおっておくとどうなってしまうのでしょうか?
X脚は左右の膝がくっついてしまう状態となり、正常な姿勢のまま歩けない状態になってしまいます。
X脚の治療や矯正を行わないでそのままほおっておくとどのような事が起きるのでしょうか。
O脚よりもX脚は、膝関節への圧迫が強いので年齢を重ねると共に膝、股関節に痛みなどの症状を引き起こしやすくなります。
X脚の特徴となる外反膝になることで膝蓋骨が外方にずれようとする力が働くので膝蓋大腿骨不安定症や膝蓋軟骨軟化症、更にランニング障害の一つでもある鵞足炎になってしまうこともあります。
またX脚への歪みが強い人は、将来、変形性の膝関節症や股関節症になりやすく、また、足の拇指に必要以上に体重がかかりやすいため足底筋膜炎や外反拇趾に発展してしまうこともあります。
変形性膝関節症は主に中年以降の女性に多い症状と言われており、変形性膝関節症を一度発症してしまうと最悪の場合は膝関節の骨を切除する大掛かりな手術にまで至ってしまうケースも少なくありません。
ただし、変形性膝関節症は膝周辺の脚の筋力トレーニングや膝の曲げ伸ばしを行う可動域訓練などの保存療法である程度の膝の痛みをやわらげる事が出来る場合もあります。
X脚にならないようにする為の日常動作について
X脚を未然に防ぐ為には、日常生活でX脚にならないように普段から気を付ける必要があります。
まず第一に現代人の成人女性や未成年の女の子に多い、女の子座り(トンビ座り)、横座りと呼ばれる膝頭を内側に入れたまま踵部分を外に投げ出した状態で床に座り込む姿勢を取るのを止めなければなりません。
女の子座り(トンビ座り)、横座りは人間の体にとっては体の歪みを引き起こす以外の何物でもありません。とても不自然な座り方であり、X脚の原因になる姿勢のワースト1位と言われています。
X脚を改善する為の筋力トレーニング、ストレッチ方法について
それではX脚にならないようにするためには(あるいはなってしまった方は)どのように筋肉を鍛え、またストレッチを行っていく必要があるのでしょうか?
一般にX脚の方は股関節の後方をサポートする股関節外旋筋群(梨状筋、大臀筋など)が弱化していることが多いのでバックキック、ヒップエクステンションと呼ばれるエクササイズなどで臀部を鍛え上げ、股関節が内側に捻じれるのを防ぐ必要があります。
また、大腿四頭筋の一つ、内側広筋と外側広筋との筋バランスが崩れ、膝が内側に入りやすくなっているので膝蓋骨の安定化をはかるためにはレッグエクステンションなどで内側広筋を鍛える必要があります。(内側広筋を鍛えるためにはフィニッシュポジションでは足先を外旋させる必要があります)
X脚の方は内転筋群が硬い傾向にあるので内転筋群のストレッチを行うとともに膝の捻れを防ぐために大腿二頭筋をストレッチする必要があります。
以下、鍛えた方が良い筋肉とストレッチした方が良い筋肉を列挙するので参考にしてください。
鍛えた方が良い筋肉
ストレッチした方が良い筋肉
臀部や脚部の筋力が弱まってくると、本来は脚の筋力と関節が連携して上半身の重みを支えていた物が、脚の筋力不足の為に徐々に関節で上半身の重みを支える割合が増えてきてしまい、膝関節を内側に曲げて上半身を支える状態となってしまいます。
一般にX脚の方が膝関節への圧迫が強い分、年齢を重ねると共に膝に痛みなどの症状がO脚よりも酷くなる傾向にあるのでなるべく早いうちに対処した方が良いと思います。
先天的な原因がX脚を引き起こしているケースもありますが、現代人の多くの女性は後天的な原因である女の子座り(トンビ座り)、横座りや「臀部や脚部の筋力不足」が原因となってX脚を引き起こしてしまっています。
女の子座り(トンビ座り)、横座りを止めて体の歪みや「脚の歪み」を引き起こさないように努め、臀部や脚部のトレーニングで筋力を強化する事でX脚を未然に防ぐ努力をするように心掛けてみて下さい。