X脚の原因と改善法について|骨盤・股関節の歪みが招くX脚の仕組みと筋トレ・ストレッチを徹底解説

X脚は、「O脚」とともに現代人が抱える現代病としても有名な症状です。X脚は、両足をそろえて立ったときに、内側のくるぶしはつかないのに膝がぶつかってしまう状態をいいます(ニーイン・トゥアウト)。

真正面から見たときに足が『くの字』(内側に歪んで内股になっている)に曲がり、ちょうどアルファベットのXの文字にも見えることから、X脚といわれています。一般に欧米人に多くみられ、男性よりも女性に多いといわれています。

しかし、近年では日本人女性にも多くみられるようになってきました。通常であれば、人間の膝頭は内側の部分がくっつくことはないのですが、身体の歪みや脚の歪みが原因で起こるX脚では、立っているときはもちろん、歩く際にも左右の膝がくっついてしまいます。若い頃は単に見た目の問題だけで済まされますが、そのままの状態でX脚を放置しておくと、将来、膝関節や腰、骨盤などに悪影響を与えてしまうおそれがあるのです。

X脚を引き起こしてしまう原因とは?

現代の多くの女性が悩んでいるといわれるX脚ですが、X脚を引き起こす原因にはどのようなものがあるのでしょうか。X脚になる原因としては、以下のようなことが考えられます。

  1. 姿勢が悪い(身体の歪み)
  2. 筋力・柔軟性のアンバランス
  3. 関節の緩み
  4. ビタミンD不足
  5. 遺伝

生まれたときは誰でもO脚ですが、成長とともに脚は一度真っ直ぐになります。しかし、その後の生活習慣や動作のクセなどにより、大腿骨・脛骨・腓骨の間に変位が生じ、やがてX脚やO脚になります。

X脚になると、一般的に股関節が内旋・内転し、膝が内側に変位するため、体重が内側にかかるようになり、内側縦足弓(土踏まず)が低下・消失することがあります。このため、踵骨の回内が起こり、足が内側に倒れる(外返し)傾向が誘発されます。不自然な座り方や歩き方を長期にわたり続けることで、やがて筋バランス(筋力や柔軟性)に乱れが生じ、股関節・膝関節・足関節などの関節部分に歪みが出てX脚になるのです。

意外に思われる方も多いかと思いますが、ビタミンD(骨の形成に関わる栄養素)が不足してもX脚になることがあります。また、医学的に完全に証明されたわけではないようですが、遺伝が原因でX脚になることがあると唱える専門家もいます。

先にも述べたように、X脚は普段の座り方や立ち居振る舞いなどの生活習慣が影響している場合が多いのですが、その土台づくりは、すでに幼少期の頃から始まっています。

女の子座り
女の子座り

幼少期の頃、つまり身体的に未成熟で筋力が弱く、骨形成ができていないときから、女の子座り(トンビ座り)や横座りを『正座より楽だから』という理由で日常的に繰り返し行っていると、太ももが内側に歪む(膝下が内側に倒れるような形)ようになります。

子供のX脚は、早めにきちんと対応することで改善できることがありますが、成長してしまった大人の骨はなかなか元に戻すことはできません。長期にわたり股関節が内側に捻れるような座り方を続けてきたことで、股関節がルーズ(緩く安定していない状態)になってしまっていることがあるからです。しかしながら、股関節が内側にねじれないようにするための適切な筋力トレーニングやストレッチを行うことで、ある程度、股関節の安定化をはかることができます。もちろん骨盤矯正も有効ですが、骨の位置の安定化をはかるには、筋肉へのアプローチが欠かせません。

X脚をほおっておくとどうなってしまうのでしょうか?

X脚は、左右の膝がくっついてしまう状態で、正常な姿勢のまま歩きにくくなります。X脚の治療や矯正を行わないでそのままほおっておくと、どのようなことが起きるのでしょうか。

O脚よりもX脚は、膝関節への圧迫(特に外側)が強いので、年齢を重ねるとともに膝・股関節に痛みなどの症状を引き起こしやすくなります。X脚の特徴となる外反膝になることで、膝蓋骨が外方にずれようとする力が働くので、膝蓋大腿関節の不安定症や膝蓋軟骨軟化症、さらにランニング障害の一つでもある鵞足炎(がそくえん)になってしまうこともあります。

また、X脚への歪みが強い人は、将来、変形性の膝関節症や股関節症になりやすく、足の母趾に必要以上に体重がかかりやすいため、足底腱膜炎や外反母趾に発展してしまうこともあります。変形性膝関節症は、主に中年以降の女性に多い症状といわれており、一度発症してしまうと、重症の場合は膝関節の手術にまで至るケースも少なくありません。ただし、変形性膝関節症は、膝周辺の筋力トレーニングや膝の曲げ伸ばしを行う可動域訓練などの保存療法で、ある程度膝の痛みをやわらげられる場合もあります。

X脚にならないようにする為の日常動作について

X脚を未然に防ぐためには、日常生活でX脚にならないように普段から気を付ける必要があります。まず第一に、現代の成人女性や女の子に多い、女の子座り(トンビ座り)・横座りと呼ばれる、膝頭を内側に入れたまま踵部分を外に投げ出した状態で床に座り込む姿勢を取るのを止めなければなりません。

女の子座り(トンビ座り)・横座りは、身体の歪みを引き起こす不自然な座り方であり、X脚の原因になる姿勢の代表格といわれています。床に座る際は、できるだけ正座や椅子の使用を心がけるとよいでしょう。

X脚を改善する為の筋力トレーニング、ストレッチ方法について

それでは、X脚にならないようにするためには(あるいはなってしまった方は)、どのように筋肉を鍛え、またストレッチを行っていく必要があるのでしょうか。

一般にX脚の方は、股関節の後方をサポートする股関節外旋筋群(梨状筋・大臀筋など)が弱化していることが多いので、バックキックやヒップエクステンションと呼ばれるエクササイズなどで臀部を鍛え上げ、股関節が内側に捻じれるのを防ぐ必要があります。

バックキック
バックキック

レッグエクステンション
レッグエクステンション

また、大腿四頭筋のうち、内側広筋と外側広筋の筋バランスが崩れ、膝が内側に入りやすくなっているので、膝蓋骨の安定化をはかるためには、レッグエクステンションなどで内側広筋を鍛える必要があります(内側広筋を鍛えるためには、フィニッシュポジションで足先を外旋させるのがポイントです)。

内転筋群のストレッチ
内転筋群のストレッチ

ハムストリングスのストレッチ
ハムストリングスのストレッチ

X脚の方は内転筋群が硬い傾向にあるので、内転筋群のストレッチを行うとともに、膝の捻れを防ぐために大腿二頭筋をストレッチする必要があります。以下に、鍛えた方がよい筋肉とストレッチした方がよい筋肉を列挙するので、参考にしてください。

鍛えた方が良い筋肉

ストレッチした方が良い筋肉

臀部や脚部の筋力が弱まってくると、本来は脚の筋力と関節が連携して上半身の重みを支えていたものが、脚の筋力不足のために、徐々に関節で上半身の重みを支える割合が増え、膝関節を内側に曲げて上半身を支える状態になってしまいます。一般にX脚の方は、膝関節への圧迫が強い分、年齢を重ねるとともに膝の痛みなどの症状がO脚よりもひどくなる傾向にあるので、なるべく早いうちに対処した方がよいでしょう。

先天的な原因がX脚を引き起こしているケースもありますが、現代の多くの女性は、後天的な原因である女の子座り(トンビ座り)・横座りや「臀部・脚部の筋力不足」が原因となってX脚を引き起こしてしまっています。女の子座り(トンビ座り)・横座りを止めて、身体の歪みや「脚の歪み」を引き起こさないように努め、臀部や脚部のトレーニングで筋力を強化することで、X脚を未然に防ぐ努力をするように心がけてみてください。

X脚改善で気をつけたいこと・受診の目安

X脚を改善しようとするとき、気をつけたいのが「自己流で強引に矯正しない」ことです。インターネットや書籍には様々なX脚矯正法がありますが、原因や状態は人によって異なるため、合わない方法を無理に続けると、かえって膝や股関節を痛めてしまうことがあります。本記事で紹介したように、X脚改善の基本は、弱い筋肉(股関節外旋筋・内側広筋など)を鍛え、硬い筋肉(内転筋群・大腿筋膜張筋など)をストレッチでゆるめ、そして女の子座りなどのクセを直すことです。短期間で結果を求めず、痛みのない範囲でコツコツ続けることが何より大切です。

また、X脚にも様々なタイプがあります。骨格の問題による構造的なものや、成長期の一時的なもの、病気が背景にあるものなどです。特に、膝や股関節に痛みがある、左右差が大きい、急に変形が進んだ、子どもの強いX脚といった場合は、運動だけで対処しようとせず、まず整形外科を受診することをおすすめします。レントゲンなどで骨や関節の状態を確認してもらい、原因に合った対応(運動療法・インソール・必要なら医療的治療)を選ぶことが、遠回りに見えて、膝を守る一番の近道です。

まとめ

X脚は、膝がぶつかり内くるぶしが離れる脚の歪みで、女の子座りなどの生活習慣や、股関節外旋筋・内側広筋の弱化、内転筋の硬さなどが主な原因です。放置すると、膝外側への負担から変形性膝関節症や鵞足炎、外反母趾などにつながることもあります。改善には、臀部や内側広筋の強化と内転筋群のストレッチ、座り方の見直しが有効です。痛みや強い変形がある場合は、自己判断せず整形外科を受診しましょう。

参考文献・出典

・日本整形外科学会https://www.joa.or.jp/

・厚生労働省 e-ヘルスネットhttps://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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