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腰痛の原因と改善法について
腰痛とはその字が示すとおり、腰に痛みを感じる状態のことをいいます。
腰痛になる原因は人によって異なり、また腰痛症状も人によって異なります。
腰痛の種類は、主に『痛みの原因がはっきりしない腰痛』と『痛みの原因がはっきりしている腰痛』の二種類に分類することができ、更に『痛みの原因がはっきりしている腰痛』は3つに分類することができます。
①『痛みの原因がはっきりしない腰痛』
②『痛みの原因がはっきりしている腰痛』
- 腰椎椎間板ヘルニア
- 腰部脊柱管狭窄症
- 腰部圧迫骨折
①『痛みの原因がはっきりしない腰痛』は俗に腰痛症と呼ばれ、調べてもあまりはっきりした原因が判らない腰痛群です。
しかしながら慢性の筋肉疲労や不良姿勢の長期化で腰痛症に発展していってしまうケースが多いようです。筋肉の表面を覆ってる筋膜や筋肉を構成している筋線維に瞬間的に強いストレスがかかることで起こる筋筋膜性腰痛(いわゆるぎっくり腰)もこの群に含まれています。
②『痛みの原因がはっきりしている腰痛』は以下のとおりです。
a.腰椎椎間板ヘルニア
『ヘルニア』とは『飛び出る』という意味があります。
椎間板ヘルニアとは『飛び出た椎間板』のことです。
『飛び出る』だけではあまり自覚症状はありませんが、それに炎症が加わると痛みが伴います。
椎間板が飛び出ることで神経が圧迫されてしまい神経痛を引き起こすのですが、これが腰椎レベルで発生すると坐骨神経を圧迫してしまい、いわゆる坐骨神経痛を発症してしまいます。
一般にヘルニアは左右どちらか片側に出ることが多いため症状も片側性の下肢の痛みやしびれが出やすくなります。(このときの痛みは痛みが広がるように発症することから放散痛といいます。)
また、その他にも歩行困難、下肢の感覚運動障害などの症状が起こることもあります。
b.腰部脊柱管狭窄症
脊柱管とは背骨の中を上下に貫くトンネルで、その中には脊髄神経が収まっています。
この脊柱管が何かしらの原因で狭くなってしまい脊髄神経を圧迫してしまうことがあります。
これを脊柱管狭窄症といい腰椎レベルで発生する狭窄症を腰部脊柱管狭窄症といいます。
脊髄神経が圧迫されてしまうことで両側性の下肢のしびれや痛みといった症状がでます。
歩いたり背筋を伸ばすといった姿勢をとることで脊柱管が狭くなり症状が悪化してしまいますが、前屈みの姿勢をとることで脊柱管が広くなるため症状が軽快します。
このため歩行時には痛みが出て小休止をとると楽になるということを繰り返します。
これを間欠性跛行(かんけつせいはこう)といい、これは腰部脊柱管狭窄症の特有の症状です。
また腰椎の過剰な反りによって腰骨がずれて起こる『腰椎のすべり症』や『腰椎の分離症』も脊柱管が狭くなるため脊柱管狭窄症のような症状を伴います。
このため『腰椎のすべり症』や『腰椎の分離症』はb.と同じカテゴリーに含まれることもあります。
c.腰部圧迫骨折
尻もちをついたり、交通事故などの強い衝撃をうけたことにより背骨の一部が骨折することで起こる腰痛です。
受傷した直後から激痛で動けないこともあり、その痛みは数週間に渡って続きます。
多くは4~6週で徐々に骨が固まってきて、徐々に痛みも減ってきますが、中には骨が十分に固まらないケースもあるので痛みが何ヶ月も続く場合があります。
もし折れた骨の一部が神経を圧迫していれば、さらに神経痛も併発します。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)があると、発症リスクが高くなりまた痛みが長期化することが多いようです。
腰痛の原因とは
『痛みの原因がはっきりしない腰痛』にせよ『痛みの原因がはっきりしている腰痛』にせよ腰痛の原因は不良姿勢が影響してしまっていることが多いようです。
例えば腰椎前弯症などで腰が反ってしまっているタイプは『腰椎のすべり症』や『腰椎の分離症』になりやすく、フラットバックなどで腰が平らになってしまっているタイプはぎっくり腰やヘルニア、腰部脊柱管狭窄症になってしまうリスクが高くなります。
不良姿勢が長時間続くことで筋肉の緊張感が増し、些細な動きでも過度なストレスになってしまうことがあります。
このように不良姿勢の状態にあるときにもし万が一、瞬間的にでも強いストレスがかかったりすると筋肉を構成している筋線維と筋肉の表面を覆っている筋膜が損傷する可能性があります。
筋線維が断裂したり筋膜にキズができるので炎症を伴った鋭い痛みを感じるのです。(これを急性腰痛といいます)
慢性的な腰痛は、急性腰痛ほどの強い痛みはないのですがジワリジワリと浸みるように広がる何ともいえない不快感や、膝や腰などにこわばりがでるのが特徴で身体を動かすのが億劫になるようになります。
文字通り慢性化(長期化)するのでほとんどの人が、「取れない痛み」としてあきらめているのが現状のようです。
慢性的な腰痛は、加齢によって起こるといった印象もありますが、10代にも慢性的な腰痛は見られるので、加齢が原因とは一概にはいえません。
慢性腰痛は姿勢が悪かったり、ストレスが原因だったりとその原因も様々ですが、現代の生活には慢性腰痛を引き起こしやすい環境が多数あるのかもしれません。
腰痛を放置しておくと
腰痛を治療せずに放置しておくと、様々な弊害が出るようになります。
たとえば、慢性的な腰痛をそのままにしておくと、ストレスがかかっている部分に問題が起こるようになります。
長期間ストレスがかかり続けると椎間板自体にもストレスがかかりやがて椎間板ヘルニア起こします。
更にそれが長期化すると椎間板が摩耗しきって骨自体が変形してしまいます。
腰骨の変形が著しくなってしまい、変形した状態で骨が固定されてしまってたら、身体を前後に曲げにくくなったり、走ったり歩きづらくなってしまうのです。
このように腰痛を放置してしまうと、最初に悪い状態だった部分以外の部分でも発症するようになり、負の連鎖とも言うべき、症状の悪化が他の部分にも引き起こされてしまうという弊害もあります。
腰痛を改善するうえで気を付けなければならない日常動作
腰痛を改善するために、日常の動作に気をつけようと思えば、まずは姿勢を正しくするということが重要です。
特にオフィスワークなどでパソコンと長時間向き合っているような人は、姿勢が悪ければ腰に過度の負担がきます。
背筋を正しく伸ばして座るだけでも腰の負担はかなり軽減されますし、足を組んだりすることもやめて、両足を正しく地面に設置させるだけでも効果的です。
また、フラットバックの人はぎっくり腰になりやすいため荷物を持ち上げるときにも細心の注意を払って行う必要があります。
このように姿勢を正しくする、体のバランスを気を付けることが何よりも大切なのです。
腰痛を改善するための筋力トレーニングやストレッチ
腰痛を改善する上で、固まっている筋肉をほぐしてあげることも大切なのですが、やはり自分の身体の歪みに応じた筋力トレーニングやストレッチを実施して正しい姿勢に保つことが何よりも大切です。
例えばフラットバックの方は一般に骨盤が後傾しているので大腿部後面や臀部の筋肉が固くなっていることが多いためこの部分をしっかりストレッチをする必要があります。
▼ウイリアム体操
また、フラットバックになってしまったことで腰椎の前弯が消失してしまっているので、うつぶせになり両手を使って上半身を起こしあげる腰痛体操(ウイリアム体操)を行ってあげるととても効果的です。