骨盤(こつばん)は大腿骨と脊柱の間にあり、身体の土台にあたる場所です。
正に身体の要(かなめ)と呼べる場所と言っても過言ではないと思います。
この土台である骨盤が左右や前後に傾くと、単に肩こりや腰痛だけではなく、他にもさまざまな弊害や不調を訴えるようになります。

仙腸関節とは

骨盤の中央には仙骨(せんこつ)・尾骨(びこつ)があり、左右両端には寛骨(かんこつ)があります。
骨盤周辺には数多くの靭帯があり、強固に一体化しているのでまるで一群の骨と化しています。

仙骨と寛骨には『仙腸関節(せんちょうかんせつ)』と呼ばれる関節があり、ここには数多くの靭帯があり、それらが仙骨と寛骨を強固に連結させています。

そのため、関節という呼び名ではありますが、他の可動関節とは異なり、可動域はわずか3~5ミリ程度しかありません
しかし、この3~5ミリ程度の動きが出来るか出来ないで身体に大きな影響を及ぼすようになります。
仙腸関節はかつて日本の医学界では動かないものとされてきました。
その背景には長時間経過してしまった屍体を解剖していたからということにあるようです。
長時間経過した屍体の仙腸関節は急速に固くなるため、時間が経過すればするほどその動きを確認することができなくなります。
しかし、新鮮な屍体だと仙腸関節の動きを確認することができます。
このために、日本の医学界では長い間、仙腸関節は動かないものとしていました。
そもそも何故、仙腸関節周辺にこれだけの靭帯があるのかということをよく考えれば仙腸関節は動くものと推測できるのではないでしょうか?
仙腸関節にはある限度をもって動いてほしいから、仙腸関節周辺には数多くの靭帯が存在するのです。
もし、本当に動いてほしくない場所なら仙腸関節は骨化されているはずです。
因みに諸外国の解剖学書では仙腸関節は動くことが当たり前と考えられています。

仙腸関節の可動域減少による様々な弊害

骨盤に何かしらの問題が生じると仙腸関節が上下または前後にズレていき、また、恥骨結合にも歪みが生じます。
そもそも何故、仙腸関節に歪みが生じるのでしょうか?
それには日常生活のクセなども深く関わってきます。
日常的に長時間、脚を組んだり(特に同じ側の脚ばかり上にしたり)、同じ腕ばかりで重いものを持ったりしていると仙腸関節にズレが生じやすくなります。

恥骨結合の歪み

恥骨結合の歪み

また、腰椎前弯症などの腰が反ってしまっている方では一般的に骨盤は前方へ傾きが強くなっているので仙腸関節にロッキング(動かない、または動きずらい)が生じやすい状態になっています。女性の方に多くみられる女の子座り(とんび座り)は仙腸関節の外方への動きが強くなりすぎこれもまた骨盤の歪みに拍車をかけます。

このように日常生活の様々な場面で仙腸関節の動きが悪くなってしまうこと(あるいは動きが良くなりすぎること)を我々は無意識にやってしまっているのです。
仙腸関節に大きな負荷がかかると仙腸関節付近に痛みを感じるだけでなく、腰痛なども発症するようになります。
勿論、仙腸関節のズレは骨盤そのものの歪みに直結するので骨盤の上に連なる脊柱(背骨)も大きく歪みが生じるようになります。
鏡を見ていただいて、ご自分の肩の高さや頭の傾きに違いを確認できるならそれだけ仙腸関節が歪んでしまっていると判断していただいて間違いないです。
脊柱が歪むことで肩こり、頭痛、めまいなど、全身に様々な悪影響を与えます。
また、仙腸関節のズレは恥骨結合の歪みも生じさせるので恥骨付近に痛みを訴える方もいます。
このように仙腸関節の歪みは人体に様々な悪影響を与えることになります。
腰や肩が常に痛い、ひどい頭痛に悩まされている、十分に休んでいるのに疲れがとれないなど、原因のはっきりしない不快症状が続くようなら一度、骨盤(仙腸関節)の歪みを疑うと良いかもしれません。

骨盤、仙腸関節のズレの予防法

自分でできる予防としてはやはり適度な運動をすることをおススメします。
筋肉の衰えや柔軟性の不足により、骨盤に歪みが生じやすくなるからです。
それを防ぐためにも軽いウォーキングや筋力トレーニング、ストレッチなどをできる範囲で続けていくことが大切です。
また、定期的にカイロプラクティック、整体などで骨盤を矯正するのも非常に有効な手段だと思います。

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当サイトの編集長の佐藤伸一(さとうしんいち)です。
フィットネスクラブ、体育施設、大学などでトレーナーとして18年間活動してましたが、約10年前にカイロプラクターとして第二の人生を歩み出しました。
そして2016年4月に第三の人生を歩み出しました。

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